この記事で分かること

  • ネンスターパターンの構造と「なぜ高精度とされるか」の理由
  • XABCDの5点構造と各ポイントのフィボナッチ比率(許容範囲付き)
  • オルトバット・クラブ・バタフライとの比較表
  • PRZ計算の手順と数値例(ドル円ケース・シリーズ共通ベース価格使用)
  • ネンスター特有のだまし回避チェックリスト

ネンスターパターンとは?知る人ぞ知る高精度ハーモニック

ネンスター(Nenstar)パターンは、スコット・カーニーが定義したハーモニックパターンのひとつで、
日本語圏ではほとんど解説記事が存在しない「上級者向けの希少パターン」です。

名前の由来はカーニーの造語であり、特定の意味を持つ単語ではありません。

ネンスターの最大の特徴は「BポイントがXA×0.618で、DポイントがXA×1.414」という構成です。

  • Bが0.618(ガートレーと同じ深さ)
  • DがXA×1.414(XAを超えてバタフライ領域に入る伸長)
  • CDエクステンションが2.000〜3.618(オルトバットと同水準)

「ガートレーのB+バタフライ方向のD」という組み合わせが、ネンスター独自のPRZ精度を生む理由です。

ネンスターが機能する相場環境

ネンスターは強い押し・戻しの後に急伸してXを超えるような「勢いのある相場」で出現しやすい傾向があります。
特に以下のような状況での発生頻度が高いです。

  • 重要指標発表後の強い一方向の動き
  • 週足・月足レベルのトレンド転換点付近
  • ボラティリティが高い通貨ペア(ポンドドル・ポンド円など)

類似パターンとの比較

ネンスターは複数のパターンと比率が近いため、確実に区別するための比較表を先に確認してください。

項目ガートレーオルトバットネンスターバタフライクラブ
Bポイント(XA比)0.6180.3820.6180.7860.382~0.618
Dポイント(XA比)0.7861.1301.4141.272~1.6181.618(固定)
DのXに対する位置X内側Xをわずかに超えるXを超えるXを超えるXを大幅超
CDエクステンション1.272~1.6182.000〜3.6182.000〜3.6181.618〜2.6182.618〜3.618
発生頻度低〜中
習得難易度

見分けのポイント

  • B=0.618かつD=1.414 → ネンスター
  • B=0.618かつD=0.786 → ガートレー
  • B=0.382かつD=1.130 → オルトバット
  • B=0.786かつD=1.272〜1.618 → バタフライ

XABCDの5点構造と比率一覧表

上昇ネンスター(強気転換)の構造

トレンドの流れ:X→A(上昇)→B(深めの押し)→C(反発)→D(X大幅割れ=PRZ)

XA×1.414は√2(ルート2)に相当します。

自然界・金融市場で意識されるフィボナッチの拡張水準のひとつで、
1.272(√1.618)と1.618(黄金比)の中間に位置する重要な比率です。

フィボナッチ比率 一覧表

比率の定義許容範囲
XA基準波(定義なし)
ABXA波の0.618リトレース0.608〜0.628
BCAB波の0.382〜0.886リトレース0.382〜0.886
CDBC波の2.000〜3.618エクステンション2.000〜3.618
ADXA波の1.414エクステンション1.404〜1.424

最重要はAD=1.414です。

許容範囲は±0.010と厳格です。ABの0.618という深めの押しと
AD=1.414というセットがネンスターの識別の核心になります。

PRZ計算の手順と数値

数値例(ドル円・上昇ネンスター)

シリーズ共通のベース価格(X=148.000、A=152.000)を使用します。

ポイント価格(例)計算式
X148.000起点
A152.000XA幅=4.000円
B149.528A−(XA×0.618)= 152.000−2.472
C151.200B+(AB×0.618)= 149.528+1.672(BC比率例)
D146.344A−(XA×1.414)= 152.000−5.656

PRZの計算手順(手動)

  • XA幅を計算:A価格 − X価格(上昇の場合)
  • AD値(PRZ)を計算:A価格 − (XA幅 × 1.414)
  • CD値を計算:C価格 − (BC幅 × 2.000〜3.618)
  • ②と③が重なる価格帯 → それがPRZ

シリーズ累積PRZ比較表(全7パターン完全版)

X=148.000、A=152.000(XA幅4.000円)を基準にした全パターンのDポイント

パターンDポイントのPRZXA比X(148.000)との差
ガートレー148.8560.786+0.856(X上方)
バット148.4560.886+0.456(X上方)
オルトバット147.4801.130−0.520(X下方)
ネンスター146.3441.414−1.656(X下方)
バタフライ(下限)146.9121.272−1.088(X下方)
バタフライ(上限)145.5281.618−2.472(X下方)
クラブ145.5281.618(固定)−2.472(X下方)

ネンスターのPRZはバタフライの中間帯(1.272〜1.618の間=1.414)に位置します。 「バタフライのちょうど真ん中の深さ」として覚えると、チャート上での識別に役立ちます。

エントリー・利確・損切りの設定

エントリー

DポイントがPRZ(XA×1.414付近)に到達後、反転シグナルを確認してからエントリーします。
ネンスターはXを大きく超えた水準でのエントリーのため、バタフライ以上に「反転確認の徹底」が重要です。

有効な反転シグナル

  • ピンバー(長い下ひげ:上昇ネンスターの場合)
  • 包み足(強い陽線の包み足)
  • RSIが25〜30以下かつダイバージェンス
  • 上位時間足(日足・週足)のサポートラインとの合致
  • 出来高の急増(株・ゴールドの場合)

利確ターゲット

ターゲット価格の目安説明
TP1Cポイント付近(151.200)部分利確に活用
TP2Bポイント付近(149.528)やや保守的
TP3Aポイント付近(152.000)標準的な利確
TP4XAの61.8%〜100%戻し(150.472〜152.000)積極的な利確

損切りライン

損切りライン = DポイントのPRZ(XA×1.414)のさらに外側

数値例:D = 146.344 → 損切り = 146.100〜146.150

AD=1.414を明確に割り込んだ時点でネンスターパターン崩壊と判断し、即損切りを実行します。

リスクリワード比の確認

項目数値例
エントリー146.344
損切り146.100(約24pips)
TP1(C付近)151.200(約485pips)
TP3(A付近)152.000(約565pips)
RR比(TP1)約1:20
RR比(TP3)約1:23

DがXを大きく超えた分、エントリーから利確ターゲットまでの値幅が非常に大きくなります。

一方、損切りはPRZのすぐ外側に置けるため、RR比は極めて高水準になります。
実戦ではTP1での部分利確を必ず組み込んでください。

ネンスター特有のだまし回避チェックリスト

だましが起きやすい状況

  • BポイントがXA×0.618から大きくズレている(ガートレー・クラブとの混同)
  • DポイントがXA×1.414から±0.020以上ズレている(パターン無効)
  • CDエクステンションが3.618を超えている(パターン崩壊)
  • 強い下降トレンドがPRZを突き抜けて継続するケース
  • 週またぎ・月またぎの重要イベント前後

エントリー前 だまし回避チェックリスト(9項目)

  • ABがXAの0.608〜0.628(≒0.618)の範囲に収まっているか
  • ADがXAの1.404〜1.424(≒1.414)の範囲に収まっているか
  • CDがBCの2.000〜3.618の範囲に収まっているか
  • DポイントがXポイントを明確に下回っている(上昇ネンスターの場合)か
  • PRZが上位時間足(日足・週足)のS/Rラインと重なっているか
  • PRZで反転を示すローソク足シグナルが出ているか
  • RSIが過売り圏(25〜30以下)または過買い圏(70〜75以上)か
  • 重要な経済指標発表・中央銀行イベントが直近にないか
  • 損切りをXA×1.414のすぐ外側に設定できているか

ChatGPTプロンプト集(ネンスター編)

プロンプト①ネンスターの比率判定

以下の価格データを使い、ネンスター(Nenstar)パターンが
成立しているか判定してください。

X: [価格]
A: [価格]
B: [価格]
C: [価格]
D: [価格]

以下の比率を計算して表形式で出力してください:

  • AB/XA(目標:0.618 ※許容範囲0.608〜0.628)
  • BC/AB(目標:0.382〜0.886)
  • CD/BC(目標:2.000〜3.618)
  • AD/XA(目標:1.414 ※許容範囲1.404〜1.424)

各比率が許容範囲内か判定し、ネンスターとして有効か結論を出してください。
またガートレー・バタフライ・オルトバットとの比較も行ってください。

プロンプト②ネンスター・バタフライ・クラブの3択判別

以下の価格データがネンスター・バタフライ・クラブの
どれに最も近いか判定してください。

X: [価格]
A: [価格]
B: [価格]
C: [価格]
D: [価格]

AB/XAとAD/XAの比率を計算し、
各パターンの許容範囲と比較した表を出力してください。
最も近いパターンと判断根拠も記載してください。

プロンプト③ネンスターのPRZとトレード計画

以下のネンスターパターンのXABCポイントを元に、
DポイントのPRZ(XA×1.414)、エントリー価格、
TP1〜TP4、損切りライン、RR比を計算してください。

X: [価格]
A: [価格]
B: [価格]
C: [価格]
通貨ペア: [例:ドル円]
方向: [ロング / ショート]

計算結果は表形式で出力してください。
また、バタフライ(D=1.272〜1.618)との反転幅・PRZ位置の違いも比較してください。

Q&A (よくある質問)

ネンスターはガートレーとどう違いますか?

Bポイントが同じ0.618でも、Dポイントが根本的に異なります。
ガートレーのDはXA×0.786(Xの内側)、ネンスターのDはXA×1.414(Xを大きく超えた外側)です。
BとDのセットで確認すれば確実に区別できます。
「BはガートレーでDはバタフライ方向」がネンスターの簡単な覚え方です。

ネンスターの「1.414」はどこから来た数値ですか?

√2(ルート2)≒1.41421…から来ています。
フィボナッチ数列とは別系統の数値ですが、金融市場では1.272(√1.618)と1.618(黄金比)の中間の
拡張水準として機能することが知られています。
自然界でも正方形の対角線と辺の比が√2になるなど、普遍的に現れる比率です。

ネンスターはTradingViewで自動検出できますか?

主要なハーモニックパターン自動検出インジケーターの多くは
ガートレー・バット・バタフライ・クラブ・サイファーに対応していますが、ネンスターに対応しているものは少数です。比率を手動で確認するか、カスタムスクリプトを使う必要があります。

ネンスターとバタフライのPRZが重なることはありますか?

あります。バタフライのPRZはXA×1.272〜1.618の幅を持ち、
ネンスターのDは1.414でその範囲内に収まります。
つまり「バタフライのPRZゾーン内にネンスターのDポイントが重なる」ケースが生じ得ます。
この重複はPRZの信頼度を高める要因になります。

初心者にネンスターは難しいですか?

上級者向けのパターンです。
ガートレー・バット・バタフライ・クラブ・オルトバットを使いこなしてから挑戦することを推奨します。

ネンスターは発生頻度が低いうえ、比率の許容範囲が狭いため、基礎パターンで「比率を数値で判定する習慣」を十分に身につけてから取り組むのが最も効率的です。