ローソク足の基本構造、基本形12種類をここまで学びました。
1本のローソク足が読めるようになったら、1ステップ進んで2本以上の組み合わせから
相場心理を読み解けるようになりましょう。
ローソク足は実は1本だけより「2〜3本」組み合わせた方が相場の転換を正確に教えてくれます。
買い手と売り手の攻防が複数本に渡って記録されることで「トレンドの終わり」「トレンドの転換」が
よりはっきりと浮かび上がってきます。
しかしそれでもトレンドの終わり、転換しないことがありますので、
前回のように上位足(今見ている時間軸よりも大きな時間軸)のトレンドを確認して
ローソク足の判断精度を上げていくようにします。
この記事では、相場の転換を示す代表的な上昇転換、下降転換
それぞれ5つの10パターンに絞って、形の意味や相場心理、実践での使い方を解説します。
※記事内の「翌日」という言葉は日足をベースにした場合です。
それ以外の時間軸を使う場合は「次のローソク足」として考えてください
事前に知っておくべき前提
10パターンの解説に入る前に必ず知っておいてほしいことがあります。
これを知っておかないとパターンだけ覚えても上手くいかず、実践ではほとんど機能しません。
反転・反発パターンは「トレンドがある時」にしか通用しない
反転・反発とは「今までの流れが変わること」です。
したがって、反転・反発するようなトレンドが存在しない揉み合い相場では、
反転・反発パターンが出ても信頼性が著しく低くなります。
そのため、まずは「今の相場がトレンドが発生しているか」を確認します。
これが反転・反発パターンを使う上での絶対条件です。
信頼性が高い出現場所の4つの条件
同じパターンでも出現した場所によって、信頼性に変化が起きます。
以下の4つの条件を多く満たすほど、信頼性が上がります。
条件1:明確なトレンドの後に出現している
数本ではなく、数十本単位の明確な上昇・下降トレンドが続いた後に
出現したパターンほど信頼性が高いです。
条件2:重要なサポート・レジスタンス付近で出現している
過去に何度も意識された価格帯(サポート・レジスタンスライン)や移動平均線付近で
反転・反発パターンが出ると、多くの市場参加者が同じ場所を意識しているため
反転・反発の信頼性が増します。
条件3:出来高の増加を伴っている
反転・反発の出現日(出現タイミング)に出来高が増えているほど、
その転換に多くの参加者が関与し、賛同している証拠になります。
パターンを見つけたら、上記3つの条件をチェックする習慣をつけましょう。
3つ全て揃っていれば強いシグナル、1つしか揃わなければ見送るという判断基準が実践的です。
条件4:上位足のトレンドに揃うタイミングで出現している
上位足のトレンドと取引判断する時間軸のトレンドが揃うタイミングでは反転・反発後の動きが続く確率が高くなります。
(例)上位足が上昇トレンド、取引判断の時間軸が押し目を作った動きの後に反発パターンが発生
上位足が下降トレンド、取引判断の時間軸が戻りを作った動きの後に反転パターンが発生
上昇転換パターン5選
下降トレンドの終盤に現れ、「売りの力が尽き、買い圧力が徐々に強くなっていく」ことを示す5パターンを解説します。
包み足(陽線)

形
前日が陰線、当日がその陰線の実体を完全に上回る(包む)大陽線の2本構成です。
前日の始値より低いか同じで始まり、前日の終値より高く終わることが条件です。
心理的背景
前日まで続いていた「売りが支配する」状況から一転して買いが圧倒的に勝った状態です。
「売り手が完全に買い手に飲み込まれた」という言葉が合います。
相場参加者の心理が一気に反転したことを意味し、2本パターンの中では最も信頼性が高いとされます。
しかし包み足が発生したとして、包み足の陽線の安値を抜けることもあるため絶対ではありません。
確認ポイント
大陽線の実体が大きいほど転換の信頼性が増します。
翌日も陽線で続けば、上昇転換がほぼ確定と判断できます。
補足
「包む実体の大きさ」が重要です。前日の陰線をわずかに上回る程度では包み足ですが、信頼性は劣ります。
海外ではBullish Engulfing(ブリッシュ エンゴルフィング)と呼ばれています。
明けの明星

形
ローソク足3本で構成されるパターンです。
1本目が大陰線、2本目が実体の小さな足(陽線、陰線どちらでも良い。十時線でも良い。「星」と呼ばれる)、
3本目が大陽線という並びです。
2本目の星は前後の足と比べて実体が明らかに小さいことが条件です。
心理的背景
1本目の大陰線で下落の勢いが強く勢いが続いていますが、2本目の星で売りの勢いが急に衰えます。
売り手が少なくなった、このまま下落見込みに迷い始めた頃に3本目の大陽線で買い手が一気に力を増し主導権を奪い返した。
このような3段階の攻防が記録された形です。
確認ポイント
3本目の陽線が、1本目の大陰線の実体の中央付近まで戻せているかがポイントです。
この上昇の戻りが浅井場合は転換の力が弱いと判断される可能性があります。
補足
海外ではMorning Star(モーニングスター)と呼ばれています。
はらみ足(陽線)

形
1本目が大陰線、2本目が1本目の実体の内側に完全に収まる小陽線の2本で構成されています。
「はらむ(腹に収める)」ように大きい足が小さい足を包みこんでいる形です。
心理的背景
1本目の大陰線で下落の勢いが強く続いている中で、2本目は大陰線の中に収まる程度の小さな動きとなり
下落の勢いが弱まった状態です。しかし、まだ買いが勝ったわけではなく、「売りが失速してきている」段階です。
確認ポイント
はらみ足単体ではシグナルとしては弱いです。3本目に陽線が出て初めて上昇転換の可能性が高まります。
翌日が陰線なら、下落継続の可能性が高いため、安易にエントリーしないことが肝心です。
補足
海外ではInside Bar(インサイドバー)と呼ばれています。
カラカサ(下影陽線)

形
実体が小さく、実体の長さの2倍以上の長い下ヒゲを持つ足です。
上ヒゲはほぼなく、下降トレンドの終盤・底値圏で出現したとき「カラカサ」と呼ばれます。
(同じ形が高値圏で出ると「首吊り線」と呼ばれ意味が逆転します)
心理的背景
開始後に大きく売り込まれた(下ヒゲ分だけ安値を付けた)ものの、その後に強力な買い戻しが入ることで
ほぼ始値付近まで回復した形です。「安値では強力な買い手が待ち構えていた」という事実を示しており、
売り手の攻勢が跳ね返されたことを意味します。
確認ポイント
上位足が上昇トレンド中に、現在見ているトレードする時間軸で下落している流れで出現すると(押し目の下落)
反転シグナルの信頼性が高くなります。
補足
海外ではHammer(ハンマー)と呼ばれています。
差し込み線

形
1本目が大陰線、2本目が前日終値より低く始まり(窓を開けて下落からスタート)、その後上昇して前日陰線の実体の中央以上まで回復した陽線の2本構成です。
心理的背景
2本目の足は、一度は下へ売り込まれましたが(前日より低く始まった)、そこから買いが入り、急反発しました。
前日の実体の中央以上まで戻してきました。「底を試したが、力強い買いが入った」という流れが2本に含まれています。
確認ポイント
2本目が前日実体の中央以上に戻せているかが条件になります。
中央を下回る戻りでは「差し込み線」とは言えず、信頼性は低くなります。
補足
海外ではPiercing Line(ピアシング・ライン)と呼ばれています。
下降転換パターン5選
上昇トレンドの終盤に現れ、「買いの力が尽きた、売り圧力が徐々に強まっていく」ことを示す5パターンです。
上昇転換と対称の関係にあります。
包み足(陰線)

形
前日が陽線、当日がその陰線の実体を完全に下回る(包む)大陰線の2本構成です。
上昇転換の包み足(陽線)と逆の形です。
心理的背景
前日まで続いていた「買いが支配する」状況から一転して売りが圧倒的に勝った状態です。
上昇トレンドの終盤・高値圏に出現した場合は特に強力な下降転換シグナルになります。
出来高が多ければ信頼性がさらに増します。
確認ポイント
包む大陰線が大きいほど信頼性が上がります。
翌日も陰線で続けば下降転換の確定と判断できます。
補足
海外ではBearish Engulfing(ベアリッシュ エンゴルフィング)と呼ばれています。
宵の明星

形
明けの明星と逆のパターンです。
1本目が大陽線、2本目が実体の小さな「星」、3本目が大陰線の3本構成です。
心理的背景
1本目の大陽線で上昇の勢いが続いていますが、2本目の「星」で買い手の勢いが急に衰えます。
そして3本目の大陰線で売り手が一気に力を増し主導権を奪い返したという展開です。
天井圏・高値圏で出現したときが最も信頼性が高く、強い下降トレンド入りのサインとして機能します。
確認ポイント
明けの明星と同様、3本目の大陰線が1本目の実体の中央付近まで割り込めているかどうかを確認します。
補足
海外ではEvening Star(イブニングスター)と呼ばれています。
はらみ足(陰線)

形
1本目が大陽線、2本目が1本目の実体の内側に収まる小陰線の2本構成です。
心理的背景
上昇の勢いが続いている中で、翌日は大陽線の中に収まるほどの小さな動きとなり、買いの勢いが失速しつつある状態です。
ただし、陽線のはらみ足と同様、まだ明確な転換ではありません。
確認ポイント
翌日に大陰線が出れば下降転換の可能性が高まります。
翌日も陽線なら上昇継続の可能性が高いため、エントリーは見送る方が無難です。
補足
海外ではInside Bar(インサイドバー)と呼ばれています。
首吊り線

形
形はカラカサと同じ「小さなローソク足実体+長い下ヒゲ」です。
しかし出現する場所が正反対で上昇トレンドの終盤・高値圏に出ます。
心理的背景
高値圏にも関わらず、一度は大きく売り込まれて買い戻された結果、長い下ヒゲになったという事実が重要です。
「高値圏で売り手が本格的に動き始めた」という警戒シグナルになります。
確認ポイント
首吊り線単体では弱いシグナルです。
翌日に陰線(前日終値を割り込む陰線)が出てくると下降転換の可能性が大幅に高まります。
翌日が陽線なら上昇継続の可能性が高く、首吊り線は否定されます。
また、上位足が下降トレンド中に、現在見ているトレードする時間軸で上昇している流れで出現すると(戻りの上昇)
反転シグナルの信頼性が高くなります。
補足
海外ではHanging Man(ハンギングマン)と呼ばれています。
かぶせ線

形
1本目が大陽線、2本目が前日終値より高く始まり(窓を開けて上昇からスタート)、
その後下落して前日陽線の実体の中央以下まで下げた陰線の2本構成です。
差し込み線の逆パターンです。
心理的背景
2本目は一度前日より高い位置から始まり、高値をつけてから急落し、前日の中央以下まで押し込まれた状態。
「高値を試したが、強力な売り圧力に押された」背景がこの2本に記録されています。
確認ポイント
2本目が前日実体の中央以下に収まっているかが条件です。
中央を超えている戻りは「かぶせ線」ではなく、信頼性が低くなります。
補足
海外ではDark Cloud Cover(ダーククラウドカバー)と呼ばれます。
「場所」によってパターンの意味が変わる実例
カラカサと首吊り線は同じ形です。
小さなローソク足の実体+実体以上の長い下ヒゲなので、区別がつきません。
そのため必ず「上位足のトレンドとトレードする時間軸のトレンドでどの段階にいるか」を確認してから
パターンを判断する習慣が必要です。
例1:上昇トレンドの終盤・天井圏で出現⇨首吊り線(下降転換シグナル)
例2:下降トレンドの終盤・底値圏で出現⇨カラカサ(上昇転換シグナル)
また、移動平均線やフィボナッチ比率、サポートライン/ゾーン、レジスタンスライン/ゾーンの付近に近づいてきたり
重なりも判断を高める材料になります。
たとえば下降トレンド中に200日移動平均線の付近で包み足(陽線)が出た場合、
移動平均線が「支え」として機能したことと、包み足の転換シグナルが重なるため、信頼性が格段に上がります。
反転・反発パターンを使ったエントリー・損切りの基本
パターンを確認し、反転・反発の確率が高いと判断したら、次はエントリーのタイミングと損切りの位置を決めます。
エントリーのタイミング
Aパターン:翌日の始値でエントリー
パターンが成立した翌日、市場が開いた時点でエントリーします。(日足の場合:FXは朝6時(夏時間)、朝7時(冬時間))
「パターンが出ても翌日は逆に動く」リスクを受け入れる必要があります。
Bパターン:反転・反発を確認したローソク足の終値でエントリー
翌日の足が想定通り(上昇転換なら陽線)で終値が確定したタイミングでエントリーします。
少し遅れますが、ダマシのシグナルを減らせます。
初心者には方法Bを推奨します。
多少エントリーが遅れてしまいますが、確認してから動くほうが損失を減らしやすいためです。
損切りのタイミング
上昇転換の場合
パターンを形成したローソク足の安値の少し下に損切りを置きます。
「このパターンが否定されるライン」がどこかを考えると、自然と決まります。
下降転換の場合
パターンを形成したローソク足の高値の少し上に損切りを置きます。
トレードを判定する時間軸に合わせた固定損切りポイント
日足なら50~100pips程度、1時間足なら30~50pips、5分足なら15pips、1分足なら1~5pipsなど
取引する銘柄や時間軸によって異なるボラティリティから損切り幅を決めます。
損切りと目標値の比率(リスクリワード比)は、最低でも1:2以上を目安にすることが重要です。
「3回のうち1回当たれば利益が出る」という計算が成り立つ水準です。
10パターン早見表とチェック項目
| パターン | 種類 | 本数 | 確認ポイント | 信頼度 |
|---|---|---|---|---|
| 包み足(陽線)/Bullish Engulfing | 上昇転換 | 2 | 大陽線が前日陰線を完全に包む | ★★★★ |
| 明けの明星/Morning Star | 上昇転換 | 3 | 3本目大陽線が中央以上に戻す | ★★★★ |
| はらみ足(陽線)/Inside Bar | 上昇転換 | 2 | 翌日の陽線で確認 | ★★ |
| カラカサ/Hammer | 上昇転換 | 1 | 下ヒゲの長さ+翌日陽線 | ★★★ |
| 差し込み線/Piercing Line | 上昇転換 | 2 | 2本目が前日中央以上に戻す | ★★★ |
| 包み足(陰線)/Bearish Engulfing | 下降転換 | 2 | 大陰線が前日陽線を完全に包む | ★★★★ |
| 宵の明星/Evening Star | 下降転換 | 3 | 3本目大陰線が中央以下に割る | ★★★★ |
| はらみ足(陰線)/Inside Bar | 下降転換 | 2 | 翌日の陰線で確認 | ★★ |
| 首吊り線/Hanging Man | 下降転換 | 1 | 高値圏出現+翌日陰線 | ★★★ |
| かぶせ線/Dark Cloud Cover | 下降転換 | 2 | 2本目が前日中央以下に割る | ★★★ |
反転・反発パターンを見つけたときの3チェック
- トレンドの確認:トレードする時間軸のトレンド(上昇か下降かもみ合いか)と
1つ上の時間軸(上位足)のトレンドの確認 - 出現場所:重要なサポート/レジスタンスライン・ゾーンや移動平均線の付近か
- 出来高:パターン出現時に出来高が増加しているか
3つの条件が揃えば強いシグナルとしてトレードを検討します。
1つの場合は見送り、2つの場合は様子を見ながら検討します。
今回の「反転・反発パターン」を覚えたら、次は「トレンド継続パターン」です。
まとまった利益を狙えるトレンドを狙うために、エントリーの選択肢を広げるために
次回はトレンド継続パターンを学んでいきましょう。
Q&A
- ローソク足の「反転パターン」とは何ですか?
反転パターンとは、現在のトレンドが終了し、相場の方向が逆へ変わる可能性を示すローソク足の形です。
例えば、下落トレンド中の「ハンマー」は上昇転換、高値圏の「シューティングスター」は下落転換のサインとして使われます。
- 最も有名な反転ローソク足パターンは何ですか?
代表的な反転パターンには以下があります。
- ハンマー
- インバーテッドハンマー
- 包み線(エンゴルフィング)
- モーニングスター
- イブニングスター
- 十字線(ドージ)
- シューティングスター
特に「包み線」は、売りと買いの勢力逆転が明確に見えるため、多くのトレーダーに重視されています。
- 反転パターンはどこで出現すると信頼性が高いですか?
反転パターンは、サポートラインやレジスタンスライン付近で出現すると信頼性が高まります。
例えば、長期間意識されている安値圏でハンマーが出ると「買い戻し」が入りやすく、反発の根拠になります。
- ローソク足だけで反転を判断しても大丈夫ですか?
ローソク足単体だけで判断するのは危険です。
出来高、トレンドライン、移動平均線、経済指標などと組み合わせることで精度が上がります。
実際、多くのトレーダーは「確認足(次の足)」を待ってからエントリーしています。
- 初心者が最初に覚えるべき反転パターンは?
初心者には以下の5つがおすすめです。
- ハンマー
- シューティングスター
- 包み線
- モーニングスター
- 十字線
この5つは出現頻度が高く、FXやCFDでも実践的に使いやすい定番パターンです。
