この記事で分かること
- オルトバットが「通常バットの上位互換」と呼ばれる理由
- XABCDの5点構造と各ポイントのフィボナッチ比率(許容範囲付き)
- 通常バット・ガートレーとの3パターン比較表
- PRZ計算の手順と数値例(ドル円ケース・シリーズ共通ベース価格使用)
- オルトバット特有のだまし回避チェックリスト
オルトバットパターンとは?バットの「もうひとつの形」

オルトバット(Alternate Bat)パターンは、
スコット・カーニーが通常バット(Bat)の派生形として定義したハーモニックパターンです。
正式名称は「オルタネイトバット(Alternate Bat)」。
日本語では「代替バット」とも呼ばれますが、トレーダー間では「オルトバット」が定着しています。
通常バットとの最大の違いはBポイントです。
- 通常バット:BポイントがXA波の0.382〜0.500
- オルトバット:BポイントがXA波の0.382(下限に固定に近い)
一見似ていますが、オルトバットはBが浅く押して、DポイントがXA波の1.130(XAを超える)まで伸びるという独自の構造を持ちます。
「Xを超えるDポイント」はバタフライやクラブと共通ですが、伸長率が1.130と控えめである点がオルトバットの特徴です。
通常バット・ガートレー・オルトバットの3パターン比較表
| 項目 | ガートレー | バット | オルトバット |
|---|---|---|---|
| Bポイント(XA比) | 0.618 | 0.382〜0.500 | 0.382(固定に近い) |
| Dポイント(XA比) | 0.786 | 0.886 | 1.130 |
| DのXに対する位置 | Xより内側 | Xのギリギリ内側 | Xを超えた外側 |
| CDのエクステンション | 1.272〜1.618 | 1.618〜2.618 | 2.000〜3.618 |
| 損切りの明確さ | 中 | 高 | 高(1.130超で即否定) |
| 発生頻度 | 高 | 高 | 中 |
| 習得難易度 |
オルトバットは「バットの延長線上にあるが、DがXを越える」という点でバタフライに近い性質を持ちます。
ただしDが1.130(バタフライの最小値1.272より小さい)という点で、両者の中間に位置するパターンです。
H2:6大パターンの全体マップ(オルトバット追加版)
シリーズここまでで登場した全パターンのDポイント比率を一覧で整理します。
| パターン | Dポイント(XA比) | Xに対する位置 |
|---|---|---|
| ガートレー | 0.786 | Xより内側 |
| バット | 0.886 | Xのギリギリ内側 |
| オルトバット | 1.130 | Xをわずかに超えた外側 |
| バタフライ | 1.272~1.618 | Xより外側 |
| クラブ | 1.618(固定) | Xより大幅外側 |
| シャーク | 0X×0.886 | 別基準 |
DポイントがXを超える順番:オルトバット(1.130)→バタフライ(1.272〜)→クラブ(1.618)
この並びを覚えると、「どれくらいXを超えているか」でパターンを区別できるようになります。
XABCDの5点構造と比率一覧表
上昇オルトバット(強気転換)の構造
トレンドの流れ:X→A(上昇)→B(浅い押し)→C(反発)→D(X割れ=PRZ)
フィボナッチ比率 一覧表
| 波 | 比率の定義 | 許容範囲 |
|---|---|---|
| XA | 基準波(定義なし) | – |
| AB | XA波の0.382リトレース | 0.370〜0.395 |
| BC | AB波の0.382〜0.886リトレース | 0.382〜0.886 |
| CD | BC波の2.000〜3.618エクステンション | 2.000〜3.618 |
| AD | XA波の1.130エクステンション | 1.120〜1.140 |
最重要はAD=1.130です。
許容範囲は±0.010と狭く、クラブ(1.618固定)に次いで厳格なパターンです。
ABの0.382という浅い押しと、AD=1.130というセットで覚えてください。
PRZ計算の手順と数値例
数値例(ドル円・上昇オルトバット)
シリーズ共通のベース価格(X=148.000、A=152.000)を使用します。
| ポイント | 価格(例) | 計算式 |
|---|---|---|
| X | 148.000 | 起点 |
| A | 152.000 | XA幅=4.000円 |
| B | 150.472 | A−(XA×0.382)= 152.000−1.528 |
| C | 151.600 | B+(AB×0.700)= 150.472+1.128(BC比率例) |
| D(PRZ) | 147.480 | A−(XA×1.130)= 152.000−4.520 |
PRZの計算手順(手動)
- XA幅を計算:A価格 − X価格(上昇の場合)
- AD値(PRZ)を計算:A価格 − (XA幅 × 1.130)
- CD値を計算:C価格 − (BC幅 × 2.000〜3.618)
- ②と③が重なる価格帯 → PRZ
シリーズ累積PRZ比較表(全6パターン)
X=148.000、A=152.000(XA幅4.000円)を基準にした全パターンのDポイント
| パターン | DポイントのPRZ | XA比 | X(148.000)との差 |
|---|---|---|---|
| ガートレー | 148.856 | 0.786 | +0.856(X上方) |
| バット | 148.456 | 0.886 | +0.456(X上方) |
| オルトバット | 147.480 | 1.130 | −0.520(X下方) |
| バタフライ | 146.912 | 1.272 | −1.088(X下方) |
| クラブ | 145.528 | 1.618 | −2.472(X下方) |
オルトバットのDは、バットよりわずかに深くバタフライより浅い水準に位置します。
「バットとバタフライの間を埋めるパターン」としてオルトバットを位置づけると、チャート上での識別がしやすくなります。
エントリー・利確・損切りの設定

エントリー
DポイントのPRZ到達後、反転シグナルを確認してからエントリーするのが基本です。
オルトバットはDがXを超えた水準にあるため、「Xを割ったのに反転する」という逆張り的な判断が必要です。
反転シグナルなしの即エントリーは禁物です。
有効な反転シグナル
- ピンバー(長い下ひげ:上昇オルトバットの場合)
- 包み足(強い陽線)
- RSIが30以下かつダイバージェンス
- 上位時間足のサポートラインとの合致
利確ターゲット
| ターゲット | 価格の目安 | 説明 |
|---|---|---|
| TP1 | Cポイント付近(151.600) | 部分利確に活用 |
| TP2 | Bポイント付近(150.472) | やや保守的 |
| TP3 | Aポイント付近(152.000) | 標準的な利確 |
| TP4 | XAの61.8%〜100%戻し | 積極的な利確 |
損切りライン
損切りライン = DポイントのPRZ(XA×1.130)のさらに外側
数値例:D = 147.480 → 損切り = 147.250〜147.300
AD=1.130を明確に割り込んだ時点でオルトバット崩壊と判断します。
バット同様、損切りラインが明確に設定できることがオルトバットの強みのひとつです。
リスクリワード比の確認
| 項目 | 数値例 |
|---|---|
| エントリー | 147.480 |
| 損切り | 147.250(約23pips) |
| TP1(C付近) | 151.600(約412pips) |
| TP3(A付近) | 152.000(約452pips) |
| RR比(TP1) | 約1:17.9 |
| RR比(TP3) | 約1:19.7 |
DがXを超えた分だけTP(利確幅)が大きくなり、
損切りはDのすぐ外側のため、RR比が非常に高くなります。
ただし実戦ではTP1での部分利確を組み合わせ、リスクを段階的に管理することを推奨します。
オルトバット特有のだまし回避チェックリスト
だましが起きやすい状況
- BポイントがXAの0.382を大きく超えている(通常バットの領域)
- DポイントがXA×1.130から大きくズレている(バタフライの可能性)
- CDエクステンションが3.618を超えている(パターン崩壊)
- 強い下降トレンドの継続局面でDを突き抜ける
- 重要な経済指標・中央銀行イベント直後の急変動局面
エントリー前 だまし回避チェックリスト(9項目)
- ABがXAの0.370〜0.395(≒0.382)の範囲に収まっているか
- ADがXAの1.120〜1.140(≒1.130)の範囲に収まっているか
- CDがBCの2.000〜3.618の範囲に収まっているか
- DポイントがXポイントをわずかに下回っている(上昇オルトバットの場合)か
- PRZが上位時間足(日足・週足)のS/Rラインと重なっているか
- PRZで反転を示すローソク足シグナルが出ているか
- RSIが過売り圏(ロングは30以下)または過買い圏(ショートは70以上)か
- 重要な経済指標発表が直近24時間以内にないか
- 損切りをXA×1.130のすぐ外側に設定できているか
H2:ChatGPTプロンプト集(オルトバット編)
プロンプト①オルトバットの比率判定
以下の価格データを使い、オルトバット(Alternate Bat)パターンが
成立しているか判定してください。
X: [価格]
A: [価格]
B: [価格]
C: [価格]
D: [価格]
以下の比率を計算して表形式で出力してください:
- AB/XA(目標:0.382 ※許容範囲0.370〜0.395)
- BC/AB(目標:0.382〜0.886)
- CD/BC(目標:2.000〜3.618)
- AD/XA(目標:1.130 ※許容範囲1.120〜1.140)
各比率が許容範囲内か判定し、オルトバットとして有効か結論を出してください。
また通常バット・バタフライとの比較も行ってください。
プロンプト②バット・オルトバット・バタフライの3択判別
以下の価格データがバット・オルトバット・バタフライの
どれに最も近いか判定してください。
X: [価格]
A: [価格]
B: [価格]
C: [価格]
D: [価格]
AB/XAとAD/XAの比率を計算し、
各パターンの許容範囲と比較した表を出力してください。
最も近いパターンとその判断根拠も記載してください。
プロンプト③オルトバットのPRZとトレード計画
以下のオルトバットパターンのXABCポイントを元に、
DポイントのPRZ(XA×1.130)、エントリー価格、
TP1〜TP4、損切りライン、RR比を計算してください。
X: [価格]
A: [価格]
B: [価格]
C: [価格]
通貨ペア: [例:ドル円]
方向: [ロング / ショート]
計算結果は表形式で出力してください。
また通常バット(D=XA×0.886)との反転幅・RR比の違いも比較してください。
Q&A (よくある質問)
- オルトバットと通常バットはどう見分けますか?
Bポイントの位置が最初の判断基準です。
通常バットはBがXA×0.382〜0.500の範囲ですが、オルトバットはBがXA×0.382(下限寄り)に固定されます。
次にDポイント:通常バットがXA×0.886(Xを超えない)のに対し、オルトバットはXA×1.130(Xをわずかに超える)です。
「BはほぼXA×0.382、DはXを超える」で覚えてください。
- オルトバットとバタフライの違いは何ですか?
DポイントのXA比が決定的な違いです。
オルトバットのD=1.130に対し、バタフライのD=1.272〜1.618です。
また、BポイントもオルトバットはXA×0.382(浅い)、バタフライはXA×0.786(深い)と大きく異なります。
「Bが浅くてDの伸長が控えめ=オルトバット」と覚えると区別しやすいです。
- オルトバットはなぜ「上位互換」と呼ばれるのですか?
通常バットよりDポイントが深い(XA×1.130)分、損切りを小さく保ちながら反転幅を大きく取れる構造があるためです。
ただし「上位互換」は精度の高さを表すものではなく、RR比の改善可能性を指しています。
発生頻度は通常バットより低いため、通常バットと併用する形が実戦では現実的です。
- シリーズのPRZ比較表でオルトバットはどこに位置しますか?
バット(XA×0.886)とバタフライ(XA×1.272〜1.618)の間です。
同じXとA(148.000〜152.000)を使った場合、バットのD=148.456、オルトバットのD=147.480、
バタフライのD=146.912〜145.528という順番になります。
「バットより少しだけXを超えるパターン」として位置づけると理解が深まります。
- 初心者はオルトバットから始めてもいいですか?
通常バットを先に習得してからのほうが効率的です。
オルトバットはBポイントの許容範囲が狭く(0.370〜0.395)、Dポイントの判定も厳格(1.120〜1.140)なため、
比率への慣れが必要です。バットとガートレーで「比率の許容範囲内での判断」に慣れてから
オルトバットに移行することを推奨します。
