この記事で分かること
- バタフライパターンがガートレー・バットと根本的に異なる理由
- XABCDの5点構造と各ポイントのフィボナッチ比率(許容範囲付き)
- 「Xを超えるDポイント」のPRZ計算手順と数値例(ドル円ケース)
- 天底逆張りエントリーの具体的な手順と利確・損切り設定
- バタフライ特有のだまし回避チェックリスト
バタフライパターンとは?「Xを超える」ことが最大の特徴

バタフライパターンは、ブライス・ギルモアが発見し、
スコット・カーニーがフィボナッチ比率で精密に定義したハーモニックパターンです。
ガートレー・バットと決定的に異なる点がひとつあります。
DポイントがXポイントを超えて伸びる、という点です。
ガートレーとバットはDポイントが必ずXとAの間に収まります。
一方バタフライはDがXの外側まで伸びてから反転します。
この「Xを超えて伸びきったところが反転ポイント」という構造が、
バタフライが天底を狙う逆張り手法として使われる理由です。
ガートレー・バット・バタフライの3パターン比較表
| 項目 | ガートレー | バット | バタフライ |
|---|---|---|---|
| Bポイント(XA比) | 0.618 | 0.382~0.500 | 0.786 |
| Dポイント(XA比) | 0.786 | 0.886 | 1.272~1.618 |
| DのXに対する位置 | XとAの間 | XとAの間 | Xの外側 |
| 狙い | 押し目・売り | 深い押し目・売り | 天井・底値の反転 |
| リスク性質 | 中程度 | 低め(損切り小) | 高め(逆張り) |
| 習得難易度 |
バタフライはBポイントも0.786と深く、ガートレーのBより深い数値です。
そして、DポイントがXを超えるかどうかで明確に区別できます。
XABCDの5点構造と比率一覧表
上昇バタフライ(強気転換)の構造
トレンドの流れ:X→A(上昇)→B(深い押し)→C(反発)→D(X割れ=PRZ)
フィボナッチ比率 一覧表

| 波 | 比率の定義 | 許容範囲 |
|---|---|---|
| XA | 基準波(定義なし) | – |
| AB | XA波の0.786リトレース | 0.770〜0.800 |
| BC | AB波の0.382〜0.886リトレース | 0.382〜0.886 |
| CD | BC波の1.618〜2.618エクステンション | 1.618〜2.618 |
| AD | XA波の1.272〜1.618エクステンション | 1.270〜1.620 |
最重要ポイントはAD=1.272〜1.618(Xを超えた拡張)です。
ガートレーとバットのADが「リトレース(0〜1.000未満)」なのに対し、
バタフライのADは「エクステンション(1.000超)」になる点が根本的な違いです。
PRZ計算の手順と数値例
数値例(ドル円・上昇バタフライ)
| ポイント | 価格(例) | 計算式 |
|---|---|---|
| X | 150.000 | – |
| A | 154.000 | XA幅=4.000円 |
| B | 150.856 | A−(XA×0.786)= 154.000−3.144 |
| C | 152.500 | B+(AB×0.500)= 150.856+1.644(BC比率例) |
| D(PRZ) | 148.912 | A−(XA×1.272)= 154.000−5.088 |
PRZの計算手順(手動)
- XA幅を計算:A価格 − X価格(上昇の場合)
- AD値を計算(1.272の場合):A価格 − (XA幅 × 1.272)
- AD値を計算(1.618の場合):A価格 − (XA幅 × 1.618)
- CD値を計算:C価格 − (BC幅 × 1.618〜2.618)
- ②〜④が重なる価格帯 → PRZ
XA×1.272とXA×1.618の2本のラインがPRZの上限・下限を形成します。
この「PRZの幅」の中でDポイントが確定し、反転シグナルが出るのを待ちます。
3パターンのPRZ位置を比較
同じXとA(150.000〜154.000)を使った場合
| パターン | DポイントのPRZ | Xに対する位置 |
|---|---|---|
| ガートレー | 150.856 | X(150.000)より上 |
| バット | 150.456 | X(150.000)より上(ギリギリ) |
| バタフライ | 148.912~147.528 | X(150.000)より下 |
バタフライのPRZはXを割り込んだ水準にあります。
これが天底を狙う逆張りとして機能する理由です。
天底逆張りエントリーの手順
なぜバタフライは逆張りとして使えるのか
DポイントがXを超えて伸び、そこで反転するということは、
相場が「行き過ぎた水準から戻ってくる」動きを捉えることを意味します。
- XA×1.272〜1.618という大きな拡張水準
- そこに複数のフィボナッチ比率が重なるPRZ
- 上位時間足のサポート・レジスタンスとの合致
これらが重なったとき、バタフライは相場の極値(天井・底値)に近い水準でのエントリー根拠を与えてくれます。
エントリー手順

XA×1.272とXA×1.618の2本のラインをチャートに引き、PRZゾーンを視覚化する。
価格がPRZゾーンに入ったら監視モードへ。即エントリーはしない。
- ピンバー(長い下ひげ:上昇バタフライの場合)
- 包み足(陽線の包み足:上昇バタフライの場合)
- RSIダイバージェンス
- MACD のゴールデンクロス
シグナルとなったローソク足の終値確定後に成行または指値でエントリー。
利確ターゲット
| ターゲット | 価格の目安 | 説明 |
|---|---|---|
| TP1 | Cポイント付近 | 部分利確に活用 |
| TP2 | Bポイント付近 | 標準的な利確 |
| TP3 | Aポイント付近 | 積極的な利確 |
| TP4 | XAの61.8%〜100%戻し | 最大目標 |
数値例(上記ドル円ケース・D=148.912でエントリー)
- TP1:152.500(Cポイント)
- TP2:150.856(Bポイント)
- TP3:154.000(Aポイント)
- TP4:152.472(XAの61.8%戻し)
損切りライン
損切りライン = DポイントのPRZ下限(XA×1.618)のさらに外側
数値例:PRZ下限 = 147.528 → 損切り = 147.300〜147.400
リスクリワード比の確認
| 項目 | 数値例 |
|---|---|
| エントリー | 148.912 |
| 損切り | 147.300(約161pips) |
| TP1 | 152.500(約358pips) |
| TP2 | 150.856(約194pips) |
| RR比(TP1) | 約1:2.2 |
| RR比(TP2) | 約1:1.2 |
バタフライは損切り幅が広くなりやすいため、ポジションサイズの調整が重要です。
TP1のCポイントでの部分利確を組み合わせて、リスクを段階的に減らす管理が実戦では有効です。
バタフライ特有のだまし回避チェックリスト
だましが起きやすい状況
- 強いトレンド相場でのカウンタートレード(一方向に走り続ける相場)
- ABが0.786から大きくズレている(実はガートレーかバットの可能性)
- DポイントがXA×1.618を大きく超えている(クラブの領域)
- PRZに上位時間足のサポート・レジスタンスがない
エントリー前 だまし回避チェックリスト(9項目)
- ABがXAの0.770〜0.800の範囲に収まっているか
- ADがXAの1.270〜1.620の範囲(エクステンション)に収まっているか
- DポイントがXポイントを下回っている(上昇バタフライの場合)か
- CDがBCの1.618〜2.618の範囲に収まっているか
- PRZが上位時間足(日足・週足)のS/Rラインと重なっているか
- PRZで反転を示すローソク足シグナルが出ているか RSIが過売り(ロングは30以下)または過買い(ショートは70以上)か
- 直近24時間以内に重要な経済指標発表がないか
- TP1(Cポイント)までのRR比が1:2以上確保できているか
ChatGPTプロンプト集(バタフライ編)
プロンプト①バタフライパターンの比率判定
以下の価格データを使い、バタフライパターンが成立しているか判定してください。
X: [価格]
A: [価格]
B: [価格]
C: [価格]
D: [価格]
以下の比率を計算して表形式で出力してください:
- AB/XA(目標:0.786)
- BC/AB(目標:0.382〜0.886)
- CD/BC(目標:1.618〜2.618)
- AD/XA(目標:1.272〜1.618)
各比率が許容範囲内かどうか判定し、バタフライとして有効か、
またはガートレー・バット・クラブの可能性があるかも判断してください。
プロンプト②3パターン同時判別
以下の価格データが、ガートレー・バット・バタフライのどれに最も近いか判定してください。
X: [価格]
A: [価格]
B: [価格]
C: [価格]
D: [価格]
AB/XAとAD/XAの比率を計算し、
各パターンの許容範囲と比較した表を出力してください。
最も近いパターンと、その根拠も記載してください。
プロンプト③バタフライのPRZとトレード計画
以下のバタフライパターンのXABCポイントを元に、
DポイントのPRZ(XA×1.272とXA×1.618の2ライン)、
エントリー価格、TP1〜TP4、損切りライン、RR比を計算してください。
X: [価格]
A: [価格]
B: [価格]
C: [価格]
通貨ペア: [例:ドル円]
方向: [ロング / ショート]
計算結果は表形式で出力してください。
また、損切り幅が広い場合のポジションサイズ調整の目安も教えてください。
Q&A (よくある質問)
- バタフライはガートレーやバットより難しいですか?
習得難易度はやや高めです。「DがXを超える」という構造がガートレー・バットと逆方向のため、
最初は混乱しやすいです。ガートレーとバットを使いこなしてからバタフライに進むと、
「Xの外側に伸びるパターン」という感覚が掴みやすくなります。
- バタフライのBポイント(0.786)はガートレーと同じですか?
数値は同じ0.786ですが、意味が異なります。
ガートレーのBは0.618(Bがここにある場合にDが0.786になる)、
バタフライのBは0.786(Bがここまで深く押してから、DがXを超えて伸びる)。
Dポイントがどこにあるかで区別できます。
- バタフライの損切り幅が広くなる問題はどう対処しますか?
ポジションサイズを小さくすることで1トレードのリスク金額を一定に保つのが基本です。
例えばバット(損切り60pips)の半分のロット数でバタフライ(損切り160pips)に入れば、
リスク金額は同等になります。固定ロットではなく「許容損失額÷損切りpips」で
ロットを計算する習慣をつけましょう。
- バタフライとクラブパターンはどう違いますか?
最大の違いはDポイントの伸長率です。
バタフライのAD=1.272〜1.618に対し、クラブのAD=1.618(固定)とさらに伸びます。
またバタフライのBは0.786、クラブのBは0.382〜0.618と浅い点も異なります(⑤クラブ編で詳説)。
- 天底での逆張りは初心者に向いていますか?
正直に言うと、バタフライは中級者以上向けの手法です。
理由は、「天底がどこかは後にならないと分からない」というFX特有のリスクがあるためです。
ガートレーとバットで「押し目・戻り目での順張り的な逆張り」に慣れてから、
バタフライの天底狙いに移行することを推奨します。
