前回は相場の転換を示す反転パターン10選を学びました。
転換を捉える技術は重要ですが、トレードで最も大きな利益を生むのは
「トレンドに乗り、トレンドが終わるまで乗り続ける技術」です。
初心者の多くが「上昇/下降トレンドに乗ってエントリーしたものの、含み益が少し出た段階で利確してしまい
その後も相場は上昇/下降し続けて利益を増やせなかった」という失敗です。
転換を恐れるあまりに大きなトレンドを途中で降りてしまいます。
実はこれは初心者に関わらず、自分の取引手法を信じていない、検証が不十分なトレーダー全員に言えることです。
相場状況によっては熟練トレーダーでも迷う場面はたまにあります。
トレンド継続パターンを知ることで「今の調整が一時的な押し目・戻りであり、トレンドはまだ続く可能性が高い」という
根拠を持つことができます。
早すぎる利確を防ぎ、トレンドに乗り続けるための判断材料として、この記事の8パターンを習得してください。
※記事内の「翌日」という言葉は日足をベースにした場合です。
それ以外の時間軸を使う場合は「次のローソク足」として考えてください
反転パターンとの違い
トレンド継続パターンの前に、前回学んだ反転パターンとの本質的な違いを整理します。
継続パターンと反転パターンを混同して間違えたまま覚えてしまうと
逆方向にエントリーしてしまうことになるため、最もコストの高い間違いをしてしまいます。
反転と継続、2つのパターンの根本的な違い
| 反転パターン | 継続パターン | |
|---|---|---|
| 意味 | トレンドが終わり、逆方向に転換する | トレンドが一時的に休止、押しや戻りを終えた後に同じ方向に再開する |
| 出現タイミング | トレンドの終盤(高値圏・安値圏) | トレンドの途中(押し目、戻り目) |
| エントリー | 新規の逆張り(流れに逆らう) | 押し目・戻り目から順張り(流れに乗る) |
| 見間違いリスク | 継続パターンと誤認しやすい | 反転パターンと誤認しやすい |
当たり前のことですが、反転パターンは「トレンドの終了サイン」、継続パターンは「トレンドの休憩サイン」です。
迷った時は必ず上位の時間軸で確認を怠らない
例えば、日足で継続パターンが出たのか、反転パターンが出たのか判断に迷う時は
上位の時間軸(週足・月足)のトレンドを確認することです。
週足や月足で明確な上昇トレンドが続いているなら日足で出た一時的な陰線は「押し目」である可能性が高くなります。
下降トレンドなら陽線は一時的な戻りである可能性が高くなります。
逆に週足で素手の反転して方向転換の兆しがあるようなら日足の反転パターンを信頼すべきです。
この上位足のトレンドとIPのパターンを合わせて判断する「マルチタイムフレーム分析」の基礎は
今後詳しく解説します。
上昇継続パターン4選:押し目買いの根拠
上昇トレンドの途中で一時的な調整(押し目) が入った後、
再び上昇方向に動き始める時に出現する4パターンです。
上げ三法

形
5本構成のパターンです。
1本目に大陽線が出た後、2〜4本目に実体の小さな陰線が3本続きます。
条件は1本目の大陽線の実体内に収まっていること。(2〜4本目は実体だけ収まるだけで良いなど諸説あり)
そして5本目に再び大陽線が出て、1本目の高値を上回ります。
5本目の終値は1本目の終値より上にあるのが理想。
心理的背景
1本目の大陽線で大きく上昇した後、一部の相場参加者が利益確定の売りを出します。(2〜4本目の小陰線)
しかし売りは限定的で上昇トレンドを崩す力はないため、5本目に再び強い買いが入り、調整を終えてトレンドが再開。
これが上昇三法の流れです。
反転パターンとの見分け方
2〜4本目の小陰線が1本目の大陽線の実態内に収まっていることが継続のカギです。
もし小陰線が大陽線の実体を下抜けた場合「はらみ足の失敗」になり、上昇継続の根拠が崩れます。
エントリーポイント
5本目の大陽線が1本目の高値を上抜けた終値、または「5本目が確定した翌日に始値でのエントリーが基本です。
損切りは3本目の陰線の安値の少し下に設定します。
上昇三兵(赤三兵)

形
陽線が3本連続し、それぞれが前日の終値より高く始まり(または前日高値付近から始まり)
高く終わるパターンです。
階段を登るように右肩上がりに3本の陽線が並んだ形を指します。
FXではほとんど見かけないパターンです。
心理的背景
3日間にわたって一貫して買いが売りを上回り続けた事実を示しています。
3日連続で勢いが続いているのは「買い手の本気サイン」です。
反転パターンとの見分け方
上昇三兵は基本的に継続シグナルですが、大きな注意点があります。
3本の陽線が異常に長い場合(「大陽線の三兵」)、ヒゲが長い場合は、過熱感のサインに変わることがあります。
特に長い上昇トレンドの末期に出た大陽線の三兵は、
前回の記事の「宵の明星」と組み合わせて天井の判断材料になることもあります。
「三兵の実体が適度な長さ」「上ヒゲが短い」という2点が揃っている三兵が健全な継続シグナルです。
エントリーポイント
3本目の陽線終値、または翌日の始値でのエントリーが一般的です。
損切りは1本目の陽線の始値(または安値)の少し下に設定します。
上方向への窓(アップギャップ)

形
前日の終値と当日の始値の間に価格の空白(窓・ギャップ)ができた形です。
当日は昨日の最高値より高い価格から取引が始まった状態です。
心理的背景
窓が開くとは「昨日の終値ではもう売れない(買えない)」ほど強い需給の偏りが生まれたことを意味します。
強いニュースや経済指標、市場参加者の心理の切り替わりが引き金になることが多く、
窓が開いた方向への勢いが非常に強いサインとなります。
補足
FXでは経済指標発表時や週明け月曜日に出やすいです。
継続の根拠と否定ライン
窓が埋まらない(価格が窓の中に戻らない)間は上昇継続の根拠になります。
逆に窓が埋まった(価格が窓の下端を下回った)場合は、
継続パターンが否定されたと判断されることもあるため様子を見て、トレンド方向に動くかを確認します。
陽のたすき線

形
1本目が陰線、2本目の始値は前日の実体の中にあり、前日高値を超えて引けた陽線です。
2本目が「たすき」のように斜めに入り込むことからこの名前がついています。
心理的背景
1本目の陰線で下落した後、強い買いが入ったことを意味します。
1本目の実体の中から2本目が始まることで「押しにきた売り手を買い手が跳ね返した」という構図です。
反転パターンとの見分け方
2本目の陽線が1本目の安値を割り込むと反転の可能性が高くなります。
窓が維持されているか、1本目の安値を守れているかが継続の条件です。
補足
たすき線は出現する場所によって転換サイン、トレンド継続サインの両方の意味があります。
下降継続パターン4選:戻り売りの根拠
下降トレンドの途中で一時的な反発(戻り目)が入った後、
再び下降方向に動き始めるときに出現する4つのパターンです。
下げ三法

形
5本構成のパターンです。
1本目に大陰線が出た後、2〜4本目に実体の小さな陽線が3本続きます。
この3本は1本目の大陰線の実体内に収まることが条件です。(2〜4本目は実体だけ収まるだけで良いなど諸説あり)
そして5本目に再び大陰線が出て、1本目の安値を下抜けします。
5本目の終値は1本目の終値より上にあるのが理想。
心理的背景
1本目の大陰線で大きく下落した後、「売られすぎ」と感じた一部が買い戻しの動きを見せます。
しかしその買いは下降トレンドを覆すほどの勢いはなく、5本目に売りが再開して下落が続きます。
エントリーポイント
5本目の大陰線が1本目の安値を下抜けた終値、
または確定した翌日の始値(6本目)でのエントリーが基本です。
損切りは3本目の陽線の高値の少し上に設定します。
下降三兵(黒三兵)

形
陰線が3本連続し、それぞれが前日の終値より低く始まり、低く終わるパターンです。
階段を降りるように右肩下がりに3本の陰線が並ぶ形です。
心理的背景
上昇三兵の逆で、3日間にわたって売りが買いを上回り続けています。
特に高値圏から続く上昇トレンドの末期に出た場合は、下降トレンド入りの強いシグナルになります。
注意点
このパターンが高値圏の終盤に出た場合は「継続」ではなく「反転」の意味を持つことがあります。
「どのトレンド、どの段階で出たか」を確認することが重要です。
すでに下降トレンドが続く中で出た黒三兵は継続、長い上昇後の高値圏で初めて出た黒三兵は
反転の性質が強くなります。
下方への窓(ダウンギャップ)

形
前日の終値と当日の始値の間にした方向の空白(窓)ができた形です。
当日は昨日の最安値より低価格から取引が始まった状態です。
心理的背景
「昨日の価格ではもう買えない(売れない)」ほどの強い売り圧力が生まれたことを示します。
窓が埋まらない(価格が窓の中に戻らない)間は下降継続の根拠になり、
窓が埋まった(価格が窓の上端を上回った)場合は継続パターンの否定になります。
補足
FXでは経済指標発表時や週明け月曜日に出やすいです。
陰のたすき線

形
1本目が陽線、2本目の始値は前日の実体の中にあり、前日安値を超えて引けた陰線です。
2本目が「たすき」のように斜めに入り込むことからこの名前がついています。
心理的背景
1本目の陽線で上昇した後、強い売りが入ったことを意味します。
1本目の実体の中から2本目が始まることで「戻しにきた買い手を売りが跳ね返した」という構図です。
反転パターンとの見分け方
2本目の陰線が1本目の高値を超えると反発の可能性が高くなります。
窓が維持されているか、1本目の高値を守れているかが継続の条件です。
補足
たすき線は出現する場所によって転換サイン、トレンド継続サインの両方の意味があります。
継続パターンが「失敗」するケース
ローソク足のパターンだけに関わらず、どんなものも100%機能するわけではありません。
継続パターンが崩れやすい3つの典型的な状況を押さえておきましょう。
継続パターンが失敗する状況①:重要な経済指標・ニュースの直前後
米国の雇用統計、消費者物価指数(CPI)、FOMCの声明など、
相場を大きく動かす経済イベントの直前後は、市場参加者や取引量が急激に増えるため
通常のテクニカル分析が機能しにくくなります。
指標発表後に方向が急変し、継続パターンが一瞬で否定されることがあります。
対策として、重要指標の発表時間を事前に確認し、
その前後はパターンが出ていてもエントリーを見送るか、
ポジションサイズを小さくすることを検討してください。
継続パターンが失敗する状況②:流動性が低い時間帯
FX市場では、東京時間の早朝やロンドン時間とニューヨーク時間の間の時間帯、
参加者が少ない時間帯はわずかな売買でも価格が動きやすく、
パターンが形成されても信頼性が低くなります。
出来高を確認できる市場(株式など)ではより明確に判断できますが、
FXでは取引量の多いロンドン・NY時間中のパターンをより重視することが実践的です。
継続パターンが失敗する状況③:主要な節目に近いとき
重要なレジスタンスライン(上値抵抗線)やゾーン、サポートライン(下値支持線)やゾーンの手前で
上昇継続パターンや下降継続パターンが出た場合、そのラインを突破できずに反転するリスクがあります。
継続パターンを見つけたとき、「この先に大きな節目がないか」を必ず確認してください。
節目を超えたところでのエントリーが、より安全な判断です。
パターンが否定されたと判断するライン
各パターンには「ここを超えたら、割ったら継続の根拠がなくなる」という否定ラインがあります。
- 上げ三法:1本目の陽線の安値を割った(抜けた)とき
- 下げ三法:1本目の陰線の高値を超えたとき
- 上昇三兵(赤三兵):1本目の陽線の安値を抜けたとき
- 下降三兵(黒三兵):1本目の陰線の高値を超えたとき
- 上方向への窓(アップギャップ):1本目の陽線の高値より下になったとき(窓埋め完了)
- 下方向への窓(ダウンギャップ):1本目の陰線の安値より上になったとき(窓埋め完了)
- 陽のたすき線:窓を埋めて1本目の陰線の安値を抜けたとき
- 陰のたすき線:窓を埋めて1本目の陽線の高値を超えたとき
否定ラインを超えたら迷わず損切りすること。
この判断の速さがトレードにおける損失管理の基本です。
継続パターンを使ったトレード戦略
最後に継続パターンを実際のトレードに組むこむ基本フローを整理します。
押し目買いの基本フロー(上昇継続の場合)
- 上昇トレンドの確認:「トレードをする時間軸」と「それより上の時間軸」の両方のトレンドで上昇トレンドが継続していること
- 押し目の発生を待つ:トレンド方向に逆行する小さな調整が入るのを待つ
- 継続パターンの確認:上昇三法、上げ三兵などが形成されているかをチェックする
- エントリー:各パターンのエントリー基準に合わせてエントリー
- 損切りの設定:各パターンの安値の少し下に損切り注文を置く
- 目標値の設定:直近の高値、または損切り幅の2倍以上の利益を狙える位置、値幅を目安にする
戻り売りの基本フロー(下降継続の場合)
- 下降トレンドの確認:「トレードをする時間軸」と「それより上の時間軸」の両方のトレンドで下降トレンドが継続していること
- 戻り目の発生を待つ:トレンド方向に逆行する小さな調整が入るのを待つ
- 継続パターンの確認:下降三法、下げ三兵などが形成されているかをチェックする
- エントリー:各パターンのエントリー基準に合わせてエントリー
- 損切りの設定:各パターンの高値の少し上に損切り注文を置く
- 目標値の設定:直近の安値、または損切り幅の2倍以上の利益を狙える位置、値幅を目安にする
移動平均線との組み合わせで信頼性を上げる
継続パターン単体の判断の精度を上げるために移動平均線を使うのも良い考えです。
例えば、上昇トレンド中に押し目が入り、25日移動平均線付近で上昇三法が出現した場合
移動平均線が「支え」として機能していることと、継続パターンが重なるため、強い根拠になります。
移動平均線との具体的な組み合わせ戦略は後日詳しく解説します。
まとめ 8パターン早見表と判断フロー
| パターン | 種類 | 本数 | エントリーポイント | 否定ライン |
|---|---|---|---|---|
| 上げ三法 | 上昇継続 | 5本 | 5本目大陽線終値・翌日始値 | 1本目の陽線安値割れ |
| 上昇三兵(赤三兵) | 上昇継続 | 3本 | 3本目終値・翌日始値 | 1本目の陽線安値抜け |
| アップギャップ | 上昇継続 | 2本〜 | 窓開け後の陽線終値 | 1本目の陽線の高値より下(窓埋め) |
| 陽のたすき線 | 上昇継続 | 2本 | 2本目陽線終値・翌日始値 | 1本目安値割れ |
| 下げ三法 | 下降継続 | 5本 | 5本目大陰線終値・翌日始値 | 1本目の陰線高値割れ |
| 下降三兵(黒三兵) | 下降継続 | 3本 | 3本目終値・翌日始値 | 1本目の陰線高値抜け |
| ダウンギャップ | 下降継続 | 2本〜 | 窓開け後の陰線終値 | 1本目の陰線の安値より上(窓埋め) |
| 陰のたすき線 | 下降継続 | 2本 | 2本目陰線終値・翌日始値 | 1本目高値割れ |
反転か継続かを判断するチェックリスト
◻︎今のトレンドの調整段階か(継続の可能性が高い)
◻︎今のトレンドの終盤・高値圏または底値圏か(反転の可能性が高い)
◻︎トレードをする時間軸は、上の時間軸のトレンドと同じ方向か
◻︎重要な節目(サポート・レジスタンス)が近くにないか
この4点を確認してから継続パターンと判断してエントリーする習慣をつけることで
長期的に勝率の向上につながります。
Q&A
- ローソク足の「トレンド継続パターン」とは何ですか?
トレンド継続パターンとは、現在の上昇・下落トレンドがそのまま続く可能性を示すローソク足パターンです。
代表例には「上げ三法/下げ三法」「上昇三兵/下降三兵」「包み線」などがあり、相場の勢いを確認する材料として使われます。
- 「上昇三兵」はどんな意味がありますか?
上昇三兵は、陽線が3本連続で並ぶ強気パターンです。
買い圧力が継続している状態を示し、上昇トレンドの継続シグナルとして多くのトレーダーに注目されています。
- 「下降三兵」はどんな場面で使われますか?
下降三兵は、陰線が3本連続で出現する下落継続パターンです。
売り圧力が非常に強いことを示し、下降トレンドが続く可能性を示唆します。
特に高値圏からの出現では警戒されやすいパターンです。
- トレンド継続パターンの信頼性を高める方法は?
出来高やサポート・レジスタンス、移動平均線と組み合わせることで精度が向上します。
特に押し目・戻り目で継続パターンが出現すると、順張りエントリーの根拠として使われやすくなります。
実際のトレーダーコミュニティでも「パターン単体より相場環境が重要」という意見が多く見られます。
- 初心者が最初に覚えるべき継続パターンは?
初心者はまず以下の定番パターンから覚えるのがおすすめです。
- 上げ三法/下げ三法
- 上昇三兵/下降三兵
- 窓(アップギャップ/ダウンギャップ)
- 陽のたすき線/陰のたすき線
これらは出現頻度が高く、FXやCFDの実戦でも使いやすい継続パターンです。
