この記事で分かること
- バットパターンとガートレーの比率の違いと見分け方
- XABCDの5点構造と各ポイントのフィボナッチ比率(許容範囲付き)
- PRZ計算の手順と数値例(ドル円ケース)
- 精度が高いエントリーポイントの条件
- バット特有のだまし回避チェックリスト
バットパターンとは?ガートレーの進化版

バットパターンは、スコット・カーニーが2001年に発見・定義したハーモニックパターンです。
カーニー自身が「ガートレーよりも精度が高い」と述べており、
実戦でのトレーダー人気はハーモニックパターンの中でもトップクラスです。
なぜ精度が高いのか、理由は2つあります。
理由①Bポイントが浅い(0.382〜0.500)
ガートレーのBポイント(0.618)より浅い位置で折り返すため、トレンドの勢いが強い局面で出現しやすく、
PRZに向かう動きが力強くなりやすいです。
理由②Dポイントが0.886と深い
0.886はフィボナッチ比率の中で「直前の高値・安値に最も近い水準」です。
ここまで押してから反転するパターンは、損切りを小さく設定しやすく、リスクリワード比が改善します。
ガートレーとバットの違い 比較表
| 項目 | ガートレー | バット |
|---|---|---|
| Bポイント(XA比) | 0.618 | 0.382~0.500 |
| Dポイント(XA比) | 0.786 | 0.886 |
| Bの印象 | 深めの押し | 浅めの押し |
| Dの印象 | 中程度の反転 | 深めの反転 |
| 損切り位置 | Xの外側 | Xの外側(Dが深いため損切り幅は小さくなる) |
| 発生頻度 | 高い | 高い |
| 実戦での精度 |
チャートを見てBポイントが0.500より浅ければバット、0.618に近ければガートレーと判断するのが
最初の見分け方として有効です。
XABCDの5点構造と比率一覧表
上昇バット(強気転換)の構造
トレンドの流れ:X→A(上昇)→B(浅い押し)→C(反発)→D(深い押し=PRZ)
フィボナッチ比率 一覧表

| 波 | 比率の定義 | 許容範囲 |
|---|---|---|
| XA | 基準波(定義なし) | – |
| AB | XA波の0.382〜0.500リトレース | 0.382〜0.500 |
| BC | AB波の0.382〜0.886リトレース | 0.382〜0.886 |
| CD | BC波の1.618〜2.618エクステンション | 1.618〜2.618 |
| AD | XA波の0.886リトレース | 0.875〜0.895 |
最重要はADの戻り0.886(D点)です。
ガートレーの0.786よりさらに深い水準で、このポイントがバット成立の決め手になります。
PRZ計算の手順と数値例
数値例(ドル円・上昇バット)
| ポイント | 価格(例) | 計算式 |
|---|---|---|
| X | 148.000 | – |
| A | 152.000 | XA幅=4.000円 |
| B | 150.000 | A−(XA×0.500)= 152.000−2.000 |
| C | 151.200 | B+(AB×0.600)= 150.000+1.200(BC比率例) |
| D(PRZ) | 148.456 | A−(XA×0.886)= 152.000−3.544 |
PRZの計算手順(手動)
- XA幅を計算:A価格 − X価格(上昇の場合)
- AD値を計算:A価格 − (XA幅 × 0.886)
- CD値を計算:C価格 − (BC幅 × 1.618〜2.618)
- ②と③が近い価格帯 → PRZ
ガートレーとバットのPRZ比較
| パターン | DポイントのPRZ | XA比 |
|---|---|---|
| ガートレー | 148.848 | 0.786 |
| バット | 148.456 | 0.886 |
バットのPRZはガートレーより約40pips深い位置になります。
「もう少し引きつけてからエントリーしたい」という場面でバットが機能します。
精度が高いエントリーポイントの条件
バットパターンは、以下の条件が揃うとエントリー精度が大きく向上します。
エントリー条件チェック
条件①Bポイントが0.382〜0.500の範囲に収まっている
0.500を超えてしまうとバットではなくガートレーの領域に入ります。Bの位置確認を最初に行う。
条件②DポイントのPRZが0.875〜0.895の範囲内
0.886から大きくズレている場合、バットパターンとしての信頼度が低下します。
条件③PRZが上位時間足のサポート・レジスタンスと重なっている
日足や週足の水平ラインとPRZが重なると、反転の信頼度が大きく上がります。
条件④PRZで反転シグナルが出ている
以下のいずれかを確認してからエントリーします。
- ピンバー(長いひげのローソク足)
- 包み足(エンゲルフィン)
- はらみ足(インサイドバー)
- RSIダイバージェンス(価格は安値更新、RSIは安値を更新していない)
条件⑤CDのエクステンションが1.618〜2.618に収まっている
CD波が2.618を大きく超える場合、バットではなくクラブパターンの可能性があります。
エントリー・利確・損切りの設定

エントリー
DポイントのPRZ到達後、反転シグナルを確認してからエントリー。
反転シグナルなしの「PRZ到達即エントリー」はだましリスクが高まります。
利確ターゲット
| ターゲット | 価格の目安 | 説明 |
|---|---|---|
| TP1 | Cポイント付近 | 保守的。部分利確に活用 |
| TP2 | Aポイント付近 | 標準的な利確 |
| TP3 | XAの61.8%戻し | 積極的な利確 |
| TP4 | Xポイント付近 | 全戻し狙い |
損切りライン
バットはDポイント(0.886)がXに近いため、ガートレーより損切り幅が小さくなりやすいのが大きなメリットです。
リスクリワード比の確認
| 項目 | 数値例 |
|---|---|
| エントリー | 148.456 |
| 損切り | 147.850(約60pips) |
| TP1 | 151.200(約274pips) |
| RR比(TP1) | 約1:4.6 |
ガートレーと比べてRR比が大幅に改善します。
これがバットの実戦人気が高い最大の理由です。
バット特有のだまし回避チェックリスト
だましが起きやすい状況
- PRZ付近に重要なサポート・レジスタンスがない
- BポイントがXAの0.500をわずかに超えている(実はガートレーの可能性)
- CDエクステンションが2.618を超えている(実はクラブの可能性)
- 強いトレンドの中でPRZに到達した(トレンドフォロー圧力が強い)
- PRZ付近に重要なサポート・レジスタンスがない
エントリー前 だまし回避チェックリスト(8項目)
- ABがXAの0.382〜0.500の範囲に収まっているか
- ADがXAの0.875〜0.895の範囲に収まっているか
- CDがBCの1.618〜2.618の範囲に収まっているか(2.618超はクラブ疑い)
- PRZが上位時間足(日足・週足)のS/Rラインと重なっているか
- PRZで反転を示すローソク足シグナルが出ているか
- RSIが過売り(ロングは30以下)または過買い(ショートは70以上)か
- 直近24時間以内に重要な経済指標発表がないか
- RR比が1:2以上確保できているか
ChatGPTプロンプト集(バット編)
プロンプト①バットパターンの比率判定
以下の価格データを使い、バットパターンが成立しているか判定してください。
X: [価格]
A: [価格]
B: [価格]
C: [価格]
D: [価格]
以下の比率を計算して表形式で出力してください:
- AB/XA(目標:0.382〜0.500)
- BC/AB(目標:0.382〜0.886)
- CD/BC(目標:1.618〜2.618)
- AD/XA(目標:0.886)
各比率が許容範囲内かどうか判定し、バットとして有効か、
またはガートレー・クラブの可能性があるかも判断してください。
プロンプト②ガートレーとバットの判別
以下の価格データがガートレーとバットのどちらに近いか判定してください。
X: [価格]
A: [価格]
B: [価格]
C: [価格]
D: [価格]
AB/XAとAD/XAの比率を計算し、
ガートレー(B=0.618、D=0.786)とバット(B=0.382〜0.500、D=0.886)の
どちらの許容範囲に近いかを比較表で示してください。
プロンプト③バットのPRZとトレード計画
以下のバットパターンのXABCポイントを元に、
Dポイント(PRZ)の価格帯、エントリー価格、TP1〜TP4、
損切りライン、RR比を計算してください。
X: [価格]
A: [価格]
B: [価格]
C: [価格]
通貨ペア: [例:ドル円]
方向: [ロング / ショート]
計算結果は表形式で出力してください。
Q&A(よくある質問)
- バットとガートレーを見分けるコツは何ですか?
Bポイントの位置が最大の手がかりです。
XAの0.500より浅ければバット、0.618付近ならガートレーと判断します。
次にDポイント:0.886付近ならバット、0.786付近ならガートレーです。
BとDの両方を確認することで判別精度が上がります。
- バットパターンはどの通貨ペアで出やすいですか?
特定の通貨ペアに限定されるわけではありませんが、
流動性が高く値動きがスムーズなドル円・ユーロドル・ポンドドルでの出現頻度が高い傾向があります。ゴールド(XAUUSD)でも機能することが多く、実戦で使いやすいペアです。
- バットのDポイントで反転シグナルが出なかった場合はどうする?
エントリーを見送るのが基本方針です。
PRZはあくまで「反転の可能性が高いゾーン」であり、反転が確認できない状態でのエントリーは
リスクが高まります。次のパターン発生を待つことも立派なトレード判断です。
- バットパターンの勝率はどのくらいですか?
条件が揃った高精度のバットパターンでの勝率は、バックテストデータでは60〜70%程度と言われています。ただし勝率だけでなくRR比との組み合わせが重要です。
勝率60%・RR比1:2の場合、期待値はプラスになります(詳しくは⑩バックテスト編で解説)。
- CDエクステンションが2.618を超えた場合はどう判断しますか?
クラブパターンの可能性を検討してください。
バットのCD上限は2.618ですが、それを超える場合はクラブ(CDが1.618〜3.618)に近い構造になります。
無理にバットと判断せず、比率に合ったパターン名で分析し直すことを推奨します。
(⑤クラブ編で詳説)
