「対称三角形が出たけど、上か下かどっちにブレイクするかわからない」
これが対称三角形の最大の難しさです。
上昇三角形・下降三角形と違い、どちらにも動く可能性があるからこそ、多くのトレーダーが判断を誤ります。
この記事では、前回の記事で紹介した対称三角形(シンメトリカルトライアングル)をさらに深掘りして
「上位足・出現場所・ライン分析」の3つを組み合わせてブレイク方向を絞り込む方法と、
フェイクアウトを見分ける実践手順を完全解説します。
この記事で分かること
- 対称三角形の正確な定義とウェッジ・ペナントとの決定的な違い
- ブレイク方向を絞り込む「3つのフィルター」の使い方
- フェイクアウト(偽ブレイク)の見分け方と対処法
- リテスト(戻り)を使った安全なエントリー手順
- 値幅計算と損切り設定の具体的な手順
- 形成途中での「シナリオ管理」の方法
- コピペで使えるChatGPTプロンプト
対称三角形とは何か:定義と他パターンとの違い
正確な定義

対称三角形(シンメトリカルトライアングル)は、一連の連続したピークとトラフを結ぶ2つの収束トレンドラインによって
特徴付けられるチャートパターンです。
これらのトレンドラインは、ほぼ等しい勾配で収束します。
不均等な勾配で収束する傾向線は、上昇ウェッジ、下降ウェッジ、上向き三角形、または下向き三角形と呼ばれます。
つまり、対称三角形(シンメトリカルトライアングル)の最大の特徴は2本のラインの傾きがほぼ等しいことです。
片方だけが急角度だとウェッジやアセンディング/ディセンディングトライアングルに分類されます。
対称三角形(シンメトリカルトライアングル)の絶対条件
- 上値ライン:右下がり(高値の切り下げ)
- 下値ライン:右上がり(安値の切り上げ)
- 2本のラインの傾きがほぼ同じ角度で収束
- 上値、下値それぞれ最低2回(理想は3回)のタッチ
対称三角形(シンメトリカルトライアングル)vs ウェッジ vs ペナント:決定的な違い
混同しやすい3パターンの決定的な違いを整理します。
| 項目 | 対称三角形(シンメトリカルトライアングル) | ウェッジ | ペナント |
|---|---|---|---|
| 2本のラインの向き | 上は右下がり・下は右上がり(逆方向) | 両方が同方向(どちらも右上or右下) | 上は右下がり・下は右上がり(逆方向) |
| 直前のフラッグポール | 不要 | 不要 | 必須 |
| ブレイク方向 | 上下両方 | ウェッジと逆方向が多い | フラッグポールと同方向 |
| パターン種別 | 継続/転換 | 継続/転換 | 継続 |
| 形成期間 | 中〜長 | 中〜長 | 短い |
見分け方のコツ
- 直前に急騰、急落(フラッグポール)があればペナント(候補)
- フラッグポールがなく、2本のラインが同じ方向に傾いていればウェッジ
- フラッグポールがなく、2本のラインが逆方向に収束していれば対称三角形
対称三角形のブレイクアウト方向を絞り込む3つのフィルター
なぜ方向を予測できるのか
対称三角形(シンメトリカルトライアングル)は買い勢力と売り勢力がほぼ均衡している状態を表し
上下どちらにブレイクするかの予測が最も難しいパターンです。
このパターンは、それまでのトレンドの一時休止を示すことが多く、ブレイク後は元のトレンド方向に継続する傾向にあります。
ブレイクアウトが上下どちらも起こりうるといっても、実際には確率的に有利な方向があります。
以下の3つのフィルターを組み合わせることで、ブレイク方向の精度を大幅に上げられます。
フィルター①上位足トレンドの方向
最も重要なフィルターです。
前のトレンドが上昇トレンドなら、トレンドラインの反発で買いを仕掛けていき、
三角保ち合いをブレイクしたのを確認して買い増しを行います。
逆に前の都エンドが下降トレンドなら売りを仕掛けていきます。
ただし、実際のチャート上では100%前のトレンドが継続するわけではないため、
予想が外れた時は早期撤退することが大切です。
実践手順
- 日足で上昇トレンドを確認⇨4時間足の対称三角形の上抜けを優先して狙う
- 日足で下降トレンドを確認⇨4時間足の対称三角形の下抜けを優先して狙う
- 日足も横ばいの場合⇨ブレイクが確定するまで待つ(無理に予測しない)
フィルター②三角形内の最後のローソク足の位置
三角形が完成に近づいた時点で、価格が上値ラインと下値ラインのどちらに近いかを確認します。
- 下値ライン(サポート)に近い位置でもみ合っている⇨上抜けの可能性がやや高い(下値が支えられている)
- 上値ライン(レジスタンス)に近い位置でもみ合っている⇨下抜けの可能性がやや高い(上値が押さえられている)
フィルター③RSI・MACDとの組み合わせ
テクニカル指標の状態がブレイク方向の補助確認になります。
| 指標の状態 | 示唆するブレイクアウト方向 |
|---|---|
| RSIが50以上で推移・上向き | 上抜けの可能性がやや高い |
| RSIが50以下で推移・下向き | 下抜けの可能性がやや高い |
| MACDがゼロラインより上でゴールデンクロス | 上抜けの可能性がやや高い |
| MACDがゼロラインより下でデッドクロス | 下抜けの可能性がやや高い |
| 価格は高値切り下げだがRSIは切り上げ(強気ダイバージェンス) | 上抜けの可能性がやや高い |
※これらはあくまで「やや高い」程度の補助情報です。フィルター③だけでブレイク方向を決めずに
フィルター①との組み合わせで判断します。
フェイクアウト(偽ブレイク)の見分け方と対処法
対称三角形のフェイクアウトが多い理由
対称三角形は上昇・下降三角形に比べてフェイクアウトが発生しやすいパターンです。
理由はどちらにも動ける状態にあるため、一方向にブレイクしてもすぐに戻ってくるケースが多いからです。
売りと買いが均衡しており、三角保ち合いをブレイクしたとしても反対方向の勢力が残っている場面では
押し目や戻りを待った方がより確実性が高まります。
フェイクアウトを見分ける5つのポイント
ポイント①ブレイクアウトのローソク足は「実体」で抜けているか
- ヒゲがラインを越えただけの「ヒゲブレイク」は高確率でフェイクアウト
- 実体(始値〜終値の太い部分)がラインを明確に超えた状態で終値を迎えることが必要
- 判断は必ずローソク足確定後に行う
ポイント②ブレイクアウトのローソク足の大きさは十分か
- 三角形内の直近ローソク足の平均的な大きさと比較して、ブレイクアウトのローソク足が明確に大きいか確認する
- 小さなローソク足でのブレイクアウトはフェイクアウトの可能性が高い
ポイント③三角形の「残り1/3〜2/3」の範囲内でブレイクしているか
- 三角形の頂点に近い場所(残り1/3以内)でのブレイクはエネルギーが不十分でフェイクアウトになりやすい
- 三角形の左端に近すぎる場所(残り2/3より前)はまだパターンが完成していないと判断する
- 理想のブレイクは三角形の「中間より右側・頂点の少し手前」の範囲内
ポイント④ブレイク方向が上位足トレンドと一致しているか
- 上位足(日足)が上昇トレンドの中での下抜けブレイクアウトはフェイクアウトの可能性が高い
- 上位足トレンドと逆方向のブレイクアウトは様子を見る
ポイント⑤リテストでラインが機能しているか
- ブレイクアウト後に元のラインまで戻ってきたとき、そのラインで反転(レジサポ転換)が確認できれば本物のブレイクアウト
- リテストで元のラインを再び抜けてしまう場合はフェイクアウトの可能性が高い
リテストを活用した安全なエントリー手順
リテスト待ちが対称三角形で特に有効な理由
方向感が定まっていないシンメトリカルトライアングル(均衡型)のブレイクの際も、
慎重に押し目・戻りを待つ方がエントリーの優位性は高まります。
対称三角形は上昇、下降三角形よりもフェイクアウトリスクが高いため、
ブレイクアウト直後の即エントリーは特に避けるべきです。
リテストを使ったエントリー手順(上抜けの場合)
まだエントリーしない。ここでのエントリーはリスクが高い
戻りの深さを観察する
下落が止まり、再び上昇に転じるローソク足が出現
損切りはリテストの安値少し下に設定
リテストがない場合の対処
ブレイクアウト後にリテストがなく大きく動き始めた場合は、無理に追いかけない。
次の押し目(移動平均線付近など)まで待つか、その機会を見送る。
値幅計算と損切り設定の完全手順

値幅計算:利確目標の決め方
対称三角形(シンメトリカルトライアングル)のブレイクアウトターゲットは、
ブレイクアウトに適用される初期の高低間の距離と等しくなります。
【上抜けブレイクの値幅計算】
目標値 = ブレイクアウト地点 + 三角形左端の値幅
例:三角形左端の高値 155.00円・安値 151.00円(値幅4.00円)
ブレイクアウト地点(旧上値ライン):153.00円
目標値(100%)= 153.00 + 4.00 = 157.00円
保守的目標(70%)= 153.00 + 2.80 = 155.80円
【下抜けブレイクの値幅計算】
目標値 = ブレイクアウト地点 − 三角形左端の値幅
例:三角形左端の高値 155.00円・安値 151.00円(値幅4.00円)
ブレイクアウト地点(旧下値ライン):153.00円
目標値(100%)= 153.00 − 4.00 = 149.00円
保守的目標(70%)= 153.00 − 2.80 = 150.20円
損切り位置の設定
| エントリー種別 | 損切り位置 |
|---|---|
| 上抜けロング(ブレイク直後) | 元の上値ライン(直近高値)の少し下 |
| 上抜けロング(リテスト後) | リテストの安値の少し下 |
| 下抜けショート(ブレイク直後) | 元の下値ライン(直近安値)の少し上 |
| 下抜けショート(リテスト後) | リテストの高値の少し上 |
リテスト後のエントリーは損切り幅が小さくなり、リスクリワード比が改善されます。
これがリテスト待ちを推奨する最大の理由です。
形成途中の「シナリオ管理」:どちらの準備もしておく
対称三角形の正しい向き合い方
対称三角形は形成中に「上か下か」を決め打ちしないことが重要です。
両方のシナリオを準備してブレイクが確定した段階で素直についていく、これが最も合理的なアプローチです。
シナリオ管理の実践手順
【三角形形成中のシナリオ管理シート(例)】
通貨ペア:ドル円 時間足:4時間足
上値ライン現在値:153.50円
下値ライン現在値:151.50円
【上抜けシナリオ】
エントリー:153.80円(上値ライン終値ブレイク確認後)
またはリテスト後:153.20〜153.50円付近の反転確認後
損切り:150.80円(直近安値の少し下)
利確①(70%):155.30円
利確②(100%):156.00円
RR比:約1.8〜2.5
【下抜けシナリオ】
エントリー:151.20円(下値ライン終値ブレイク確認後)
またはリテスト後:151.80〜152.00円付近の反転確認後
損切り:154.20円(直近高値の少し上)
利確①(70%):149.40円
利確②(100%):148.00円
RR比:約1.8〜2.5
このシートをブレイク前に準備しておき、ブレイクアウトは発生した瞬間に冷静に判断できるようにしておきます。
各数値をトレード時に変更して使ってください。
このように準備しておくだけで、「焦って乗り遅れる」ことも「フェイクアウトに飛び乗る」こともなくなります。
コピペで使えるChatGPTプロンプト集
プロンプト①ブレイクアウト方向を3つのフィルターで分析する
対称三角形(シンメトリカルトライアングル)のブレイク方向を3つのフィルターで分析してください。
通貨ペア:◯◯◯◯
時間足:◯◯◯◯
【フィルター①:上位足トレンド】
日足のトレンド:[上昇/下降/横ばい]
週足のトレンド:[上昇/下降/横ばい]
【フィルター②:三角形内の直近価格の位置】
現在の価格:◯◯◯◯
上値ライン現在値:◯◯◯◯
下値ライン現在値:◯◯◯◯
【フィルター③:テクニカル指標】
RSI(現在値と方向):◯◯◯◯、◯◯◯◯
MACD(ゼロライン比較とクロス状態):◯◯◯◯、◯◯◯◯
①3つのフィルターの結果からブレイク方向の優位性はどちらか
②上抜けと下抜けの確率を%で表すとするとどのくらいか
③どちらのシナリオを優先してトレードプランを立てるべきか
④事前に準備すべきシナリオ管理の内容
を教えてください。
プロンプト②:フェイクアウト判定チェック
対称三角形をブレイクしましたが、フェイクアウトかどうか判断できません。
通貨ペア:◯◯◯◯
時間足:◯◯◯◯
ブレイク方向:◯◯
ブレイク時のローソク足の状態:
・実体でブレイクしたか、ヒゲのみか:◯◯◯◯
・ブレイクのローソク足の大きさ:◯◯pips
・三角形内の直近ローソク足の平均的な大きさ:◯◯pips
ブレイク後の経過:◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯
上位足のトレンドとの方向一致:◯◯◯◯
①フェイクアウトの可能性(高/中/低)とその根拠
②リテストとして許容できる戻りの深さ(価格帯)
③「フェイクアウト確定」と判断できる条件
④このまま様子見すべきか、損切りすべきか
を教えてください。
プロンプト③シナリオ管理シートを自動作成する
対称三角形の両方向シナリオ管理シートを作成してください。
通貨ペア:◯◯◯◯
時間足:◯◯◯◯
三角形左端の高値:◯◯◯◯
三角形左端の安値:◯◯◯◯
現在の上値ライン:◯◯◯◯
現在の下値ライン:◯◯◯◯
上位足のトレンド:[上昇/下降/横ばい]
【作成してほしい内容】
①上抜けシナリオ
・エントリー条件(ブレイク直後 / リテスト後)
・エントリー価格の目安
・損切り価格
・利確目標(70%・100%)
・リスクリワード比
②下抜けシナリオ(同上)
③どちらのシナリオを優先するか、理由も含めて教えてください。
④ブレイク前に注目すべき経済指標やイベントがあれば教えてください。
まとめ:対称三角形を使いこなす5つのルール
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 形の特徴 | 上値右下がり・下値右上がりで等角度収束 |
| ブレイクアウト方向 | 上位足トレンドと一致する方向が多い |
| エントリー | リテスト確認後が安全(ブレイク直後は避ける) |
| 損切り | ブレイクしたライン(またはリテスト安値・高値)の外側 |
| 利確 | 三角形左端の値幅を70〜100% |
対称三角形攻略の5つのルール
- 形成中はブレイク方向を決め打ちしない(両シナリオを準備する)
- ブレイクは終値ベース・実体での確認が必須(ヒゲブレイクは無視)
- 上位足トレンドと一致する方向のブレイクを優先(逆方向は静観)
- リテスト待ちを徹底する(フェイクアウト回避の最大の手段)
- 三角形の頂点付近のブレイクは信頼しない(エネルギー不足のサイン)
次回の記事では「チャートパターンのだまし回避」に入ります。
トレードをする上で避けることができないだましは極力減らした方が損失が減ります。
だましが起きる理由と対策を解説します。
Q&A(よくある質問)
- 対称三角形(シンメトリカルトライアングル)は、最終的にどちらにブレイクしやすいですか?
基本的には「直前のトレンド方向」にブレイクしやすい(上昇トレンド中なら上抜け、
下降トレンド中なら下抜け)傾向があります。
ただし、均衡型のため上下どちらにも動く可能性があり、決め打ちは禁物です。
- だまし(フェイクアウト)に引っかからないための最も効果的な対策は何ですか?
ブレイク直後に飛び乗らず、「元のラインまで価格が戻り、
レジサポ転換して再度反転したこと(リテスト)」を確認してからエントリーすることです。
また、ローソク足の「実体」が確定するのを待つことも必須です。
- 三角形の先端(頂点付近)でブレイクした場合はチャンスですか?
いいえ、見送るべきです。全体の2/3以降、特に先端に近い場所でのブレイクは、
市場のエネルギーが枯渇して方向感を失っていることが多く、
フェイクアウトや小幅な動きに終わりやすいため信頼性が低くなります。
- ペナントやウェッジとはどうやって見分ければいいですか?
2本のラインが「逆方向(上下から挟む形)」に収束しており、
かつ直前に「急騰・急落(フラッグポール)」がないものが対称三角形です。
同方向に傾いていればウェッジ、直前に急激なトレンドがあればペナントと見分けます。
- 利確目標(ターゲット値幅)はどのように計算しますか?
三角形の「左端の一番広い値幅」を測定し、
それをブレイクアウトした地点からそのまま足した(引いた)価格が目標値になります。
確実性を高めるために、その値幅の70%を保守的な目標にするのも有効です。
